メッシです。
今回はドルストレートと合成通貨について解説していきます。
目次
ドルストレート(ストレート通貨)とは?
現在、世界の基軸通貨は米ドルであり、外国為替市場では米ドルを中心に取引が行われています。
※基軸通貨というのは、国際的な取引や決済などで使用される通貨
経済指標などを考えて見てもアメリカの景気は世界中が注目しており、アメリカの景気動向で各国の経済状況も左右され、基軸通貨である米ドルが世界の基準となっています。
そういったことから、米ドル(USD)が絡む通貨というのは”ドルストレート”もしくは”ストレート通貨”というように呼ばれます。
ドルストレートを例に挙げてみると、USDJPY、EURUSD、GBPUSD、AUDUSDといったようにUSDが含まれる通貨ペアを指します。
合成通貨(クロス通貨)とは?
では、USDを絡んでいない通貨というのはどういったように呼ばれるのでしょう?
USDを含まない通貨は、”合成通貨”もしくは”クロス通貨”というように呼ばれます。
ここで知っておくこととして、合成通貨は色々と種類があります。
円絡みの通貨ペアというのは、”クロス円”というように呼ばれ、EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、CADJPYなどがあります。
※クロス円と考え方は一緒で、その他にもクロス通貨というのは”ユーロクロス”、”ポンドクロス”、”スイスクロス”などがあります
クロス円のレートの算出の仕方とは?
為替市場での通貨ペアの取引量はドルストレートが多く、日本人が好むクロス円は世界的に見るとそれほど多くありません。
それにクロス円は直接取引が存在しない通貨ペアであるということも知っておきましょう。
直接取引が存在しない通貨ペアとはどういうことなのかというと、例としてGBPJPYを取り上げます。
GBPJPYを買った場合は、GBPを買ってJPYを売ったというように考えてしまいがちですが、実際にはGBPJPYが直接取引されているわけではないんですね。
クロス円の取引が行われるときはUSDが間に関係してくることになり、GBPJPYのポジションを持つことは、ドルストレート同士の合成で算出されます。つまりGBPUSDのロングポジションとUSDJPYのショートポジションを同時に持つということと同じ意味になります。
では実際にGBPJPYの為替レートがどうやって算出されているのかというと、例えばドル円のレートが114.80円で、GBPUSDのレートが1.44700だった場合、(この記事を書いている時の現レート)GBPJPYのレートは以下の計算で割り出されます。
USDJPY×GBPUSD=GBPJPY
当てはめてみると、114.800×1.44700=166.1156 ということになります。
このようにGBPJPYのレートは、英と日本の需給関係によってレートが決まっているのではなく、英と米、米と日本の関係によってGBPJPYのレートが決まっているということがわかります。
合成通貨のスプレッドや同調の動きについて
このような仕組みで合成通貨のレートが決まっているわけですが、それゆえスプレッドや変動の仕方といった特徴があります。
スプレッド
日本国内の業者ではクロス円のスプレッドを低く設定してありますが、本来合成通貨というのは、2つの通貨ペアの取引を同時に行うものですので、ドルストレートに比べてスプレッドは高くなります。
各証券会社のスプレッドを見て頂くとわかると思いますが、特にマイナー通貨同士は流動性が低く(取引量が少ない)、手数料も割高です。
変動の仕方
先程の例でGBPJPYを取り上げますが、変動の仕方がGBPUSDに同調して動く時とUSDJPYに同調して動く時、また、どちらにも引っ張られてしまって動きがあまりでないといった時があります。
例えばGBPUSDが上昇していてUSDJPYが下落している環境下で、GBPJPYはGBPUSDに同調すれば上昇しますが、USDJPYに同調すれば下落するわけです(その時の状況によるので、合成通貨がどちらに同調しやすいということは断言はできません)。
私がGBPJPYを取引する場合、GBPJPYの秩序に従ってトレードするので、GBPUSDやUSDJPYの通貨ペアを気にするかというとそこまで気にしてません。
合成通貨の同調した動きに関して気になるのであれば、ドルストレートの通貨ペアを取引することが良いかもしれませんね。
今回はドルストレートと合成通貨の基本的な仕組みや特徴について解説しましたが、合成通貨がどちらに同調するかといったことで疑問視する方もいるかもしれません。
相場を見ていくうちに、同調の動き方の感覚が掴めてくると思いますので、チャートを見て経験値を積んでいきましょう。
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